手仕事のいま
更新日:2024年05月23日

山梨の知らぬ地に眠る宝|自然と郷愁が宿る、最高級の団扇ができるまで

ライター:
yamanashi-hujikawa

【今回の取材地】

面積:112k㎡
総人口:13,622人
人口密度:122人/㎢
隣接自治体:南アルプス市、早川町など
(2024年1月1日時点)





山梨県富士川町は、地名の通り富士川が流れ豊穣な土地柄。自然由来の材料のみを使った団扇を作っている方がいる。

120年余の歴史を持つ、老舗手張り団扇・扇子専門店。

3代目である「杉山江見堂」の杉山 茂さんは、自然植物のみを染料に使う「草木染」に注目。

日本各地で見つけた厳選素材のみ使用し、自然な持ち心地・あおぎ心地を実現。

見るだけでうっとりする杉山江見堂ブランド”emido”は、GINZA SIX内の「CIBONE」でも人気を博している。

とりわけこだわっているのは、自然由来の材料を使用すること。

独特の風合いを表現できるのは、あくまで自然の姿をそのまま取り入れた結果。

人工的に作り上げた色では決して現れない表情が、団扇に宿る。

今、一人で団扇を染める職人は少なくなっている。

「もともと生活の一部として使われてきた団扇が、時代の変遷とともに価値観が変わることで、再び人々の手に触れられる日が来るだろう」

この土地の材料から染められた和紙と竹の骨。

自然のものがそっと佇んでいる日常を、感じ取ることができる。

そんな団扇が、富士川町で生み出されている。

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