試みの交差点
更新日:2024年09月19日

かすみがうら市の未来を担う私たち

ライター:
ibaraki-kasumigauura

【今回の取材地】

面積:156.60㎡
総人口:39,207人
人口密度:250人/㎢
隣接自治体:石岡市、土浦市など
(2023年12月1日時点)

かすみがうら市が地元の学生に向けて「放課後起業クラブ」と題し、起業家教育を開催。プログラムは全7回で構成され、「働くかっこいい大人の人間力とビジネス力を搭載する」ことを目指して内省力やコミュニケーション力、マーケティングスキル、問題解決スキルを磨きました。最終回ではプレゼンテーションを行い、優勝したチームはクラウドファンディングの補助金を受け、かすみがうら市内の企業と共同で実際に事業を興します。

今回は、プログラムの企画・運営を行ったinvision株式会社の社員をお招きし、放課後起業クラブに参加した学生と座談会を行いました。

座談会参加メンバー

ファシリテーター:坂牧真さん / invison株式会社(右)

参加してくれた学生:磯山瑞季さん / 石岡第一高等学校(中央)、大原太葵さん / つくば国際大学東風高等学校(左)

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坂牧:どうしてこのプログラムに参加しようと思ってくれたのかな?

磯山:「放課後起業クラブ」という名前に惹かれたのがきっかけです。「高校生で起業? そんなのできるの? 」と、最初は半信半疑でしたが、普段関わることがない企業の方と関わることができるとなると、社会勉強にもなるのではないかと思い、参加することを決めました。

坂牧:「社会勉強になりそう」と考えること自体がすごいなと思うんだけど、どうしてそういうことを考えるようになったの? もともと起業とかも考えていたの?

磯山:正直、将来起業したいという風には考えたことはありませんでした。ただ、そういう知識があったら自分にとってプラスになるなとは思っていたので、参加を決めました。

坂牧:「将来の可能性を広げたい」と思っていたんだね。大原さんはどうして参加してくれたの?

大原:僕も「放課後起業クラブ」という名前に惹かれたのがきっかけです。実業家の父の影響で、中学生のころから「自分もいつかは起業したい」と考えていました。今回放課後起業クラブに参加したのは、将来のために力を蓄えておきたいと思ったからです。また、プレゼンテーションで優勝すれば起業支援をしていただけるということだったので、夢をかなえるチャンスなのかもと思いました。

プログラムに参加した大原さん(左)と磯山さん(右)

坂牧:「働くかっこいい大人」を目指して色々な講座を受けてもらったり、実際にプレゼンテーションをしてもらったりしたけど、印象的だったものはありますか?

磯山:一番印象的だったのは、やはりプレゼンテーションです。新規事業のアイデアを考えること自体も初めての経験で、それを大人の前で発表するなんてしたことがなかったので、とても緊張しました。プレッシャーも感じて、正直逃げ出したいと思うこともありましたが、ここでできた仲間が「大丈夫だよ、気軽にいこうよ」と支えてくれたことで乗り越えることができました。

これから大人になっていくにつれて、プレゼンテーションをする場面やプレッシャーを感じる場面を経験することになると思うのですが、逃げずに向き合う勇気を持つことができた気がします。

大原:僕が一番印象的だったのは、今回優勝できなかったことです。自信がありましたし、プレゼンテーションを終えた際に審査員の皆さまからいただいたコメントも高評価だったので絶対に勝てると思っていました。今回優勝こそ逃してしまいましたが、ここまで支えてくださったCAMPieceかすみがうらの古峰さんが、僕が考えた事業を一緒に実現させようと声をかけてくださったので、引き続き夢をかなえるために頑張りたいと思います。

かすみがうら市で事業をされている企業様の元を訪れ、新規事業のアイデアを考えました

坂牧:プログラムに参加する前と後で、自分自身が変わったと思うところはありますか?

磯山:自分の力に自信を持てるようになりました。放課後起業クラブに参加する前は、「高校生が考えたアイデアがビジネスになるわけない」と思っていました。しかし、回を重ねるごとに現実味を帯びてきて、「これ、実現できちゃうんじゃない? 」と、思えるようになりました。今では自分のアイデアや発言、行動には力があるのではないかと思うようになりました。「世の中を変える」というのは難しいにしろ、自分の周りなど一部であれば、自分の行動や考えでいい影響を与えられるのではないかと思っています!

坂牧:磯山さんは自分では「世の中を変えられない」と言っていましたが、そんなことはないと思います。放課後起業クラブに参加してくれた当初から、どんなことにも前のめりで、周りにポジティブな影響を与えていると思っていました。ただ、その反面でどこか自分に自信がないようにも見えました。大人になったとしても、緊張や焦りでプレッシャーを感じることはあります。今回プログラムを通して自分の力に自信を持てるようになったと言ってましたが、もっと前向きに目標や夢に向かって突き進んでください。磯山さんならできるはず!

大原:一歩大人に近づくことができたのではないかと思います。仕事をする上では、約束や時間を厳守するということがどれだけ大切なのかを学ぶことができましたし、自分に課された任務を最後まで遂行する責任の大きさも学びました。これまで「起業したい。お金を稼ぎたい」と思っていましたし、自信がありましたが、この経験を経て、自分は絶対やり遂げられるという確信に変わった気がします。

坂牧:大原さんは、今回プログラムに参加してくれた学生の中で一番大変だったのではないかなと思っています。起業のアイデアを考えるのも、プレゼンテーションをするのも、他の人はチームでやっているところ、高校生の大原さん一人でアイデアからマネタイズの方法まで全部考えて、プレゼンテーションをするのは本当に根気のいる事だったのではないでしょうか? でも、大原さんだからこそ乗り越えられたことだったのではないかなと思いますし、この経験が大原さんを何倍にも成長させてくれたのではないかとも、はたから見ていて感じました。起業する未来が現実になったとき、また同じように困難が待ち構えているかもしれません。その時は、この放課後起業クラブで得た「苦しい時でも、自分は乗り越えられるんだ」という自信を糧に、色々なことに挑戦してください!

プログラムを終え、達成感の溢れる笑顔を見せてくれました

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