【今回の取材地】
総人口:39,207人
人口密度:250人/㎢
隣接自治体:石岡市、土浦市など
(2023年12月1日時点)
「参加していただくご家族に、かすみがうら市の魅力を発掘してもらう」ことを目的にして開催された親子ワーケーション。第一次産業はもちろんのこと、かすみがうら市に茨城支部を置く「一般社団法人日本ドローンサッカー連盟」でドローンサッカーを体験したり、古民家をリノベーションした宿泊施設に実際に滞在したりするなど、2泊3日の間で存分にまちの魅力に触れることができた。
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魅力の再発掘に向け、始動したワーケーション事業
関係人口の創出や地方創生の実現を目指し、かすみがうら市では昨年度よりワーケーション事業を開始。昨年度は「かすみがうら市でワーケーションをするなら、どんなことをしたいですか」と参加者に問いかけ、デマンド式でプログラムを展開することも行った。今年度は「今まで実施したことのない、新しい体験プログラムで」という願いを込めて、新たな体験コンテンツを揃えた「親子ワーケーション」を実施。色々な視点でまちを見てもらい、魅力を再発掘することへも期待を寄せている。
かすみがうら市の代表的な魅力として、琵琶湖に続く日本第2位の面積を誇る霞ヶ浦を水源に行われる第一次産業が挙げられる。また、台地という地形を活かして果樹栽培が行われており、年間を通してさまざまな果樹を収穫できるのも魅力の一つと言えるだろう。このような特色や地域資源を利用して関係人口の創出を実現したいと考え、その取り組みの一つとして親子で参加するワーケーションの企画・運営を行った。
全世代の「楽しい」が詰まったワーケーション
今回の親子ワーケーションでは、果樹栽培の現場で実際に収穫の手伝いをした他、霞ヶ浦で行われる鯉の養殖の見学やドローンサッカーを体験。2泊3日の間で、かすみがうら市の地域資源や新しい取り組みにたくさん触れることができた。
特に子供たちはドローンサッカーに夢中で、「ドローン買おうよ」とまだまだ遊び足りないと言わんばかりであった。市としても、子供たちにドローンに触れてもらったことは今回のワーケーションのポイントであったという。
ドローン操作ができる人もまだ少なく、2022年時点の国内ドローンサッカーの競技人口は約350人と言われている。また、競技人口が少ないだけではなく、e-sportsのようにハンディキャップを持つ方も競技できるため、ドローン業界の将来性は高いと言われている。そのような中で、子供のころからドローンに触れてもらう機会を作ることができたのは、市としても、一大人としても鼻が高いよう。
実際に、参加した家族からは大満足の声が。子供たちは「楽しかった」と、普段触れることのない豊かな自然やドローンという最新技術にすっかり魅了されているようだった。親御さんたちからももちろん好評でしたが、特にかすみがうら市の資源やロケーションについて言及していた。
「今回泊まった江口屋のロケーションがすごく良かったです。古民家をリノベーションした建物なので、趣がありましたし、目の前に霞ヶ浦が広がっているのも素敵でした。目と鼻の先に歩崎公園もあるので、子供たちに安心して遊ばせることができました」
今回は2泊3日という短い時間であったが、ワーケーションとなるとパソコン作業を行う時間を取りたいと考える方も多くいらっしゃるはず。そういった方にとっても家族の時間と仕事の時間のバランスを上手く調節できるのは魅力的と言えるのではないだろうか。
今後も加速する、かすみがうら市の地域活性化
成功を収めたともいえる今回の親子ワーケーション事業だが、かすみがうら市は、この事業を今後は「行政主導ではなく、地域の事業者の皆さまに」、「継続的に」行ってもらうことをゴールとしている。ゴールを達成するためにも、成功した事業とはいえ、進化させ続けなければならないと考えているようであった。
“どこかで”ではなく、“かすみがうら市で”ワーケーションをしたいと思ってもらうためには、どんなPRを行っていくべきだろうか。今回好評だった宿「江口屋」のような宿を増やすことはできないか。
より多くの方に訪れてもらうために、かすみがうら市はこれからも日進月歩で進み続ける。
参考文献
日本経済新聞「ドローンサッカー、大分から全国へ バリアフリー競技」(2022年10月19日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF190AX0Z11C22A0000000/