文化のたすき 手仕事のいま
更新日:2024年09月19日

江戸っ子の心「松阪もめん」

ライター:
mie-matsusaka

【今回の取材地】

面積:623.58㎡
総人口:154,734人
人口密度:248人/㎢
隣接自治体:津市、多気郡多気町など
(2023年8月1日時点)

人の繋がりを結ぶ地域ブランド

地域ブランドを守ろうと働きかけているのは、食肉の分野だけではない。

古くから伝統を紡ぐ、情熱を持った人々に出逢った。

「江戸時代、二人に一人は着ていた」と云い伝えられているのが 「松阪もめん」。

⸺風情があり、派手すぎない

その着物が持つ繊細で美しい縦縞は松阪縞と呼ばれ、江戸の庶民にとって“粋”とされていた。

今も昔も、松阪もめんは手織りで紡がれ続けている。

ほつれて弱い糸になってしまうため、巻きが早くとも遅くともいけない。

色落ちするようになってしまうため、幾度も幾度も、染めと乾燥を繰り返さなくてはいけない。

密度の粗く、よじれた布になってしまうため、しっかりと横糸を打ちつけなくてはいけない。

これらの繊細な工程を経て、手織りにしか出せない風合いが宿るのだ。

松阪の町を歩いていると、至る所に、松阪縞を見ることができる。松阪駅、駅前の商店街、観光案内所、飲食店にも。地域に誇りを持ち、伝統を紡いでいく人々の姿こそが、松阪もめんが紡いだ「人の美しさ」なのかもしれない。

今日はどんな思いを込めて、機を織るのだろうか。

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