【今回の取材地】
面積:623.58㎡
総人口:154,734人
人口密度:248人/㎢
隣接自治体:津市、多気郡多気町など
(2023年8月1日時点)
総人口:154,734人
人口密度:248人/㎢
隣接自治体:津市、多気郡多気町など
(2023年8月1日時点)
松阪で継承される日本の心
「松阪に来たらこの人に会わなきゃいかんよ」と、食事処を営むご夫婦に教えていただいた場所がある。
ご夫婦の言葉を頼りに、JR松阪駅前の商店街から伊勢街道へ折れ、一本裏の通りへ。
すると、趣のある建物が目に入る。
東村さんが営む、東村呉服店だ。
建物の外観は、古き良き”和”と、洗練された”新しさ”を感じさせる造り。
下調べはしていましたが、予約の電話はしておらず、取材のアポも取っていなかった。
ただ、この先に何があるのだろうと好奇心を煽られ、足を踏み入れた。
内階段を上り、戸を開けると、まるで自然の中にいるような開放的な空間が広がっていたのだ。
たくさんの窓から陽光が差し込んでいた。
呆気に取られていると、お茶を運ぶ東村さんの姿があった。
「こんにちは。お一人かしら?」
「こんにちは。はい、一人です」
「ジンジャーエールがおいしいよ」
私は席に着き、棚に並んでいる絵本や雑貨コーナーを眺めていた。
松阪の歴史にまつわる本、着物の本、子供向けの絵本。
すっかり見かけなくなったCDコンポからは、
聞き覚えのあるBGMがこぼれている。何という曲だっただろうか。
不思議なほどにおいしいジンジャーエールを飲み切るころ、
他のお客さんを見送った東村さんは、私の向かいの席に座った。