手仕事のいま
更新日:2024年05月23日

山梨の知らぬ地に眠る宝|時を継ぐ手漉き和紙

ライター:
yanamashi-minobu

【今回の取材地】

山梨県 身延町
面積:301.98k㎡
総人口:9,534人
人口密度:31.6人/㎢
隣接自治体:富士川町、甲府市など
(2024年1月1日時点)

山梨県身延町。ここは、西嶋和紙発祥の地である。

日本仏教三大霊山のひとつ、身延山が象徴的なこの町では、最近ではインバウンドの影響もあり、多くの外国人観光客が足を運び、*宿坊(しゅくぼう)など日本の伝統文化に触れることができる場所として人気のスポットだ。

*お寺や神社の宿泊施設

その伝統文化の一つである日本の和紙、西嶋和紙もまた、この地に代々受け継がれてきたものである。

山梨ゆかりの武将である武田信玄の命により誕生した西嶋和紙は、墨色の独特な発色やにじみ具合、筆ざわりが特徴として挙げられ、数多くの書道愛好家や冠婚葬祭を始めとした特別な日を彩る紙として、多くの人の想いを遺すものとして愛されてきた。

今回、撮影をさせて頂いた笠井伸二さんは手漉きの和紙職人。

脈々と受け継がれてきた歴史。そして手漉きによって一枚一枚に注いできた時間を理解している笠井さんは、謙虚にも「満足したと思ったことは一度もない」という。

きっとその意思こそが、西嶋和紙の歴史を築いてきたことの礎なのだろう。

関連記事