文化のたすき まちを拓く人
更新日:2024年09月19日

松阪「豚」!?新しい地域産品の発掘と事業承継

ライター:
mie-matsusaka

【今回の取材地】

面積:623.58㎡
総人口:154,734人
人口密度:248人/㎢
隣接自治体:津市、多気郡多気町など
(2023年8月1日時点)

松阪市の中心街から10分ほど車を走らせると高めの格子で囲まれた広い敷地がある。道路側には木々が植えられ、それが鬱蒼と生えているので、外から中を覗くことはできない。敷地内に入り耳を澄ますと、わずかに動物の鳴き声が聞こえてくる。

「ブーブー、ブヒ、ブヒ」

養豚場。今日はここにお邪魔することになっている。

「こんにちは~よろしくお願いします」

大阪訛りとは少しイントネーションが違う松阪弁で出迎えてくれた女性は、橋本妃里さん。松阪市で唯一の「松阪豚」専門の精肉店のオーナーであり、同時にこの養豚場の事業承継者でもある。

この養豚場はもともと、山越弘一さんが独り粛々と50年以上経営してきたそう。山越さんは、全国養豚経営者会議(現:一般社団法人 日本養豚協会)を20代で立ち上げ、副会長や会長を歴任した業界では非常に有名な方。

その山越さんが肥育した松阪豚を口にしたことがきっかけで、橋本さんは精肉店を開業。その後、山越さんが病に伏せたこともあり、養豚場の事業承継も行う形となり、現在はより環境や豚の生態に配慮した循環型の生産体制を目指し、新しい養豚農地の購入まで検討している。

「私は普通のOLでしたからね。あと、そもそも地元が本当に嫌いだったんですよ、松阪豚のことも全然知らなかったですし」

橋本さんはどうして、松阪豚に魅せられ、ここまで突き動かされたのだろう。

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